(4)「量子磁気医学」の確立
磁気治療のメカニズム
分子中の電子も振動しているので、温冷熱療法の場合のように電子に電磁波を加えれば制御できるか、といえばそれは無理だろう。電子の振動は近紫外線領域の電磁波と重なるので、その領域の振動数の電磁波を発生させる装置が必要であるし、異常が起きているタンパク質分子別に振動数を特定して照射することなど不可能といえる。熱の場合は、温める・冷やす、を使い分けることによって、簡単に遠赤外線を吸収・放出させることができたが、近紫外線を発生させることはできても、吸収することができる装置はあるだろうか。実用性のない理論は考えるだけ無駄である、忘れることにしよう。
温冷熱療法から、骨格構造の「構造相転移」が、官能基の化学反応に対して、アクセルとブレーキのような働きをすることが分かった。骨格構造の電気双極子と遠赤外線の共鳴と書いたが、電磁波は電場と磁場の振動であるから、実際には電気双極子と電場部分の共鳴である。つまり、温冷熱療法とは、電気的治療法ということになる。電気と磁気は兄弟のような関係であるから、電気的に治療可能であるならば、磁気的にも治療可能であろうと考えるのが物理学者というものである。
ペプチド結合によってアミノ酸の骨格部分が、タンパク質分子の骨格構造を形成していくと、アミノ酸の骨格を周回していた電子は骨格構造を周回するようになる。ペプチド結合は共有結合であるから、右回りと左回りのスピンの電子が対になり、スピンによる磁性は打ち消されている。骨格構造を周回する電子は、クーロン力によって引き付けられながら軌道運動している。骨格構造の電気双極子に極性がなければ、周回する対電子の軌道の大きさと運動速度は同じであるが、軌道運動の方向は反対になるので、軌道運動によって生じる磁性は打ち消されている。この状態に磁場を加えても、電子に何ら変化は起きない。
骨格構造が構造変化すれば、電荷の偏りが生じ極性があることになる。すると、周回する対電子は、軌道運動の方向によって、一方の電子の軌道は大きく運動速度は遅くなり、他方の電子の軌道は小さく運動速度は速くなる。軌道の大きさと運動速度が異なるので、対電子の磁性は打ち消されていない。各電子の磁気モーメントの総和が、骨格構造を周回する電子全体の磁気モーメントとなる。電子の密度が非常に高いために電子全体が強く相互作用するようになる、そのような系は強相関電子系と呼ばれ、1つの固有振動数を持つようになる。
軌道運動する電子に磁性があるならば、磁場を加えるとローレンツ力によって電子の軌道は変化する。磁極の選択によっては、対電子の2つの軌道の大きさの違いが拡大したり、縮小したりするだろう。2つの軌道の大きさの違いが縮小していくように磁極が選択され、軌道の大きさが一致するならば、軌道運動による磁性は打ち消されることになるだろう。
磁気治療成立の条件
ところが実際には、患部に磁場を加えるだけでは磁性は打ち消されず、ほとんど治療効果はない。つまり、単に患部に磁場を加えるだけでは、骨格構造を周回する対電子の軌道の大きさは一致せず、軌道運動による磁性は打ち消されないのである。タンパク質分子は共有結合しているので、反磁性体といわれる物質である。磁場が加えられているときだけ、磁場とは反対方向の磁性が誘発されるが、磁場が取り除かれればその磁性は消えてしまう。磁場を加えるとローレンツ力によって軌道が変化するが、一時的な若干の軌道変化にとどまり、磁場がなくなれば軌道は元に戻ってしまうので、軌道が変化することはできない。それはなぜだろうか。この理由であるが、温冷熱療法の場合は、骨格構造内部の電気双極子になっている原子と遠赤外線は共に振動しているので、共鳴することによって励起状態となることができた。ところが、電子は量子であるから振動しているが、振動しない静磁場との間では共鳴することなく、励起状態になることはないので軌道は変化しない。これではタンパク質分子を制御することはできない。
しかし、複数のタンパク質分子間において、骨格構造を周回する電子が形成する強相関電子系の固有振動数が同じであれば、共鳴励起状態になることが可能だろう。電子軌道は変化することができ、対電子の2つの軌道の大きさが一致すると磁性は瞬間的に打ち消される。骨格構造を周回する電子の軌道変化は電場を変化させるので、電子側とクーロン力によって引き付け合っている骨格構造の極性と構造が変化する。それによって、タンパク質分子全体の構造と機能を正常化させることができる。このように、磁気を加えるだけで病気の治療が可能である、ということが理論的に成立する。ニセ科学扱いされてきた磁気治療が真正科学となるとき、医学はパラダイム転換することになる。
治療の法則化
確実に治癒させていくためには、磁気を加える部位と磁極の選択が適切でなければならない。研究していた磁気療法では、複数の部位に対して同時に、永久磁石による磁場を加える。ある機能が低下している部位に対してはN極を、亢進している部位に対してはS極を選択すると、励起状態に伴う腹鳴が起きて間もなくそれぞれの部位の機能異常は解消される。薬物の場合は個別のタンパク質分子の機能を調節するが、磁気の場合は複数のタンパク質分子を同時に正常化することができる。つまり、部分的にではあるが、機能系として正常化することができるので、個別のタンパク質分子を制御するよりもはるかに有効性が高い。病気の症状は、各機能異常の組み合わせであるから、症状を各機能異常に分解して、それぞれの機能について、順次正常化させていけばよい。すべての機能が正常化した時、完治ということになる。このようにタンパク質分子を正常化していくならば、症状・原因・病名などの違いにかかわらず、簡単に完治させることができる。例えば、うつ病も、喘息も、肝炎も、神経痛も、帯状疱疹も、1つの方法で治療ができる。現代医学のように、原因や病名が分からないために治療ができないということはない。
現在では、現代医学おいて行われているような分類学的作業は、科学研究の主流から外れている、多くの現象を統一的に説明する理論を探究するべきなのである。ニュートンは、万有引力という仮説を導入することによって、天上界の運動と地上界の運動を統一して古典力学を完成させた。科学的であるはずの現代医学であるが、そのような統一的な理論を確立していないことが、ニセ医学を現出させる大きな要因になっている。
標準治療を礼賛し、科学の法則と関係性がないエビデンス論を振りかざすような医師は、科学研究を理解していないバカ医師であり、患者たちのためにならない。彼らが信奉する現代医学によって、確実に完治させることができないということは、現代医学は正しくないことを意味している。治せる治療法が正しいのであり、事実があるならば必ず物理・化学の法則によって説明できる、それが科学研究というものであろう。「量子磁気医学」では、タンパク質分子の構造相転移によって、多くの病気を統一的に把握し、治療することができる。
タンパク質分子を正常化させるためには難しいメカニズムなど知らなくてよい、磁気を加える部位と磁極を適切に選択できればよいだけである。その条件を知っていれば、例えば、喘息発作中の10歳の子供でも、自分で、その場で、完治させることができてしまうのである。日常経験する大部分の病気は、永久磁石を使うだけで、同じように治療ができるだろう。その詳細は電子書籍『ニセ科学ではなかった磁気療法』において公開しているので、そちらを一読していただきたい。第5章 治療編には、どのように部位や磁極を選択していけばよいかについて書かれている。誰もが使いこなせるようにきわめて単純化された治療法則としてまとめられている。それを知って実際に治療を行うならば、「量子磁気医学」がニセ科学ではなく、現代医学をはるかに上回る最強の治療法であることが分かるだろう。そして、あなたはパラダイム転換を体験することになる。
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