(7)物理主義と医学理論

物理法則に対する信頼
 数学では、公理と呼ばれる自明の前提条件があり、公理と公理が組み合わされて定理が導かれる。公理や定理が組み合わされてさらに新しい定理が導かれる。その論証プロセスに瑕疵がないならば、新しい定理として認められる。問題を解くときは、定理を適用すればよいのであり、公理からスタートする必要はない。
 物理法則は、数学における公理系に準じている。物理学においては、基本法則があり、そこから数学における定理のようにいろいろな派生法則が導かれる。物理的事実に基づいて導かれ、適用範囲があることが、数学の公理系とは異なる。近似的であり、事実をそのまま写し取ったものではないが、適用範囲内の現象であれば、ほぼ確実に予測や制御ができる。
 物理法則は人類が知る最も確実な知識であり、諸科学の基礎である。この世界の現象はすべて物理法則に従っているという考え方を物理主義という、生命現象も例外ではないはずである。時間や場所に関わらず、同じような条件下においては同じ現象が起きる、この経験則を斉一性原理という。証明することは不可能であるが、否定できないこの原則を前提として科学研究は進められる。物理法則を適用して論証プロセスに瑕疵なく説明できるならば、確実性、再現性は保証されることになる。これは科学の体系が破綻しない限り有効であることが期待される。


   
医学が「不確実性の科学」である理由
 基底とは、物事の基礎となるものという意味である。何事も行き詰ったときは、基底レベルから再考すると解決することが多い。医学の対象となる人体は、物質から構成されている。物質としての性質を有する最小単位は分子であり、分子は原子と電子から構成されているので、物質の性質や状態を予測や制御するためには、原子と電子の振る舞いによって説明することになる。原子以下の大きさの物質は量子と総称され、粒子としての性質と波のような性質を持ち、重ね合わせの原理に従う。励起状態、トビトビの値しか取れず、連続的に変化することはできないなど、量子力学に特有の現象を量子効果という。量子を支配する法則が量子力学であるから、物質の性質や状態は量子力学に従って決まる。かっては、物理学と化学は異なる領域の現象と考えられていたが、化学反応が量子力学によって説明されることによって、原理的に化学は物理学の一部ということになった。物質科学としては、量子力学が基底となる法則といえる。

 現代科学においては、量子力学に基づく諸科学の体系化が進行している。量子力学に基づいてきちんと論証していけば、ニセ科学といわれるものが現れるはずはないのである。ニセ科学というものは量子力学に反している、だから量子力学をぶつければ論破できる。現代医学は量子力学と直接結びついていないので、天動説のように間違った科学になっている。そのために有効な治療ができず、不信感を持たれることになる。これではニセ医学を駆逐できるはずもない。きちんと論証していくためには、科学哲学といわれる書籍を100冊や200冊位は読み込んで、科学研究の論理や方法を熟知していなければならない。ニセ科学の問題は、それを論じる人物の科学的思考力の問題でもある。


 現代医学では、生命現象を化学反応の集積と考える分子生物学を基礎として、薬物療法を主たる治療法としている。生命現象は生体分子機械と呼ばれる多数のタンパク質分子が機能することによって進行する。各タンパク質分子の機能がすべて正常であれば、健康ということであり、正常範囲を逸脱すれば病気ということになる。正常に復するための外部からの行為が治療ということになる。機能異常に陥っている球状構造のタンパク質分子の官能基に、低分子化合物を結合させることによって機能を調節する。これが分子薬理学の基本理論となっている。つまり、現代医学の薬物療法では、物理法則からの直接的な基礎付けはされていないのである。


 患者によって有する遺伝子が異なれば、遺伝情報に従って作られるタンパク質分子に違いがあるだろう。症状も人それぞれであり、時間とともに変動する。どの薬物を選択するかによっても治療効果は異なるだろう。投与した薬物が目標とするタンパク質分子と正しく結合しないことがあるかもしれない。副作用などの不都合が現れることも稀ではなく、それが現れることなく治療可能な理論は確立されていない。とにかく症状を抑制することが目標とされ、確実な再現性は保証されていない。医学が不確実性の科学といわれ、対症療法しかできないと批判される所以である。個人差という不確実性を克服するために、統計学などによる検証と評価を行って、有効で確実性の高い治療法・治療薬を選択すれば、不確実性を最小化できると医師たちは考えている。しかし、その試みがほとんど成功していないことを、患者たちは身をもって知っている。


 この間隙をついてニセ医学が、跳梁跋扈する。確実に即効的治癒が可能であることを謳い文句に、ニセ医学による一儲けをたくらむ人物たちが暗躍する。因果関係が明らかであり、確実に完治するならば、ニセ医学が出現する余地はない。ニセ医学の出現を許しているのは、不完全な治療しかできない現代医学に起因するといってよいだろう。つまり、ニセ医学を批判しても、ニセ医学が消滅することはない。パラダイム転換によって医学の不完全性が解消されることを待つしかない。

 

磁気治療という変則事例
 ところが、先述したように、磁気治療ならば多くの病気を簡単に完治させることができる、タンパク質分子の官能基における化学反応は、骨格構造の「構造相転移」を介して制御されることが分かった。相転移量子力学という物質科学の基本法則に従って起きる現象である。官能基の化学反応が骨格構造の構造変化を介して制御されるということは、骨格構造を支配する量子力学に基礎付けられることを意味する。


 タンパク質分子が異なれば官能基は異なり、異なる化学反応が起きる。しかし、タンパク質分子の機能を制御する骨格構造は結晶構造となっているので、その物性はすべてのタンパク質分子に共通する。したがって、異なるタンパク質分子を同じ方法で制御できることになる。骨格構造内部における原子と電子の振る舞いによって、骨格構造が決まり、それがタンパク質分子の機能を決める。この物理変化が病気の本質と考えてよいだろう。しかも、構造を元の状態に戻すだけであり、薬物を使用しないので副作用もない。これは量子力学でなければ解明できない現象である。

 このように、医学から不確実性を解消するためには量子力学という物理法則に基礎付けることができればよい。論証プロセスに瑕疵がなければ、斉一性原理によって確実な再現性は保証される。決定論であるはずの物理的現象を、統計学や無作為化比較対照試験などの確率論によって検証するというバカげたことを行う必要もなくなる。これにより、医学も量子力学を基礎とする科学の体系に組み込まれることになる。

 

パラダイム転換を受容しない医師たち
 医師たちは、現代医学こそが最も有効な治療を行えると考えている。確実に完治させることができず、副作用などの問題があっても、科学の論理や方法に従って構築されており、多数の症例があり、客観的な実験に基づいているなど、現代医学が科学的に正しいことを医学教育において刷り込まれている。たかが磁気を加えるだけで病気を治せるはずはない、磁気治療などニセ医学に違いないとして無視しているのが現状である。


 天動説における周転円は、複雑化させただけで理論を補強することはできなかった。現代医学におけるエビデンス論も、治療の有効性を高めることにほとんど寄与していない。どの医学パラダイムを選択するか、それが治療の成否に直結する。治せないのであれば、間違った医学も、ニセ医学も、患者たちにとっては大同小異である。弥縫策を取るよりも、そのようなパラダイムを放棄することが正解といえる。有効性が高く、ほとんどの病気に適応できる治療法があるならば、あえて有効性の劣る方法によって治療をする患者はいなくなるだろう。その結果、有効性が高い治療法だけが残り、治療法は統一されていくことになる。
 ニセ医学批判を行う医師たちは、始めから磁気治療などに効果はないと見なすだけである。「量子磁気医学」のメカニズムについて、その真偽に立ち入ることはしない。思考実験と自己実験を主とする論証となっていることに対しては、たった一人だけのデータであるから信頼できないとのたまう。統計学や無作為化比較対照試験による検証を行っていないようでは科学的研究ではないという。決定論である物理的現象を、確率論によって検証することが、おかしいとは思わないらしい。再現実験を見せろ、という要求をすることによって立証責任を転嫁し、それによって論破したかのように勝ち誇る。先行研究を示せといい、先行研究のない独自研究は認められない。査読を受けているか、論文として発表されていなければ、科学ではないなどと、外形的な相違に眼を付けて攻撃するだけである。なぜ、磁気治療が可能であるのか、そのメカニズムに対する議論はゼロである。個々の批判を撃破することは可能であるが面倒であり、反論したところで何の利益も生まないので、そこで打ち切っておくことにしている。

   
 始めから研究対象が不確実であるという前提で論証すれば、確実性は相対的意味しか持たず、確実な治癒法の確立に至るはずもない。しかし、物理法則に基礎づけられている治療法ならば、不安定な薬物療法をはるかに上回る有効性が期待できるだろう。患者たちは、有効な治療法を求めてさまよわなくて済み、ニセ医学に騙されることもなくなるだろう。それ以外の方法では未解明や制御不能な部分が残り、ニセ医学の駆逐は難しくなる。
 現代医学パラダイムこそが科学的に正しいと、医学教育によって刷り込まれている医師たちには、それ以外のパラダイムが成立することなど考えられないのだろう。医師たちの大部分は新発見に挑戦する研究者ではない、新基軸の製品を開発する技術者でもない、マニュアルに従って作業をする修理工に近いといえるだろう。たとえ研究医であっても、現代医学パラダイムを逸脱するような研究を行うことはしない。それは、知識を詰め込む教育を受けてきた、彼らの科学的思考力の低さの表れなのだろう。

 

ポピュリズム化するニセ医学批判
 インターネット上において、医師や一部の科学マニアによるニセ医学批判が盛んに行われている。まるで、親の敵に出会ったかのような執拗さである。ニセ医学批判はポピュリズムに似ている、複雑な争点を単純化して、二項対立の図式に持ち込む、何より敵を作ろうとすることがポピュリズムの特徴である。
 現代医学の標準治療が科学的に正しく、ニセ医学は正しくないと主張しているが、現代医学が天動説のように間違った科学であるならば、この二項対立は成立しないことになり、ニセ医学を駆逐することにはつながらない。ニセ医学に対する注意喚起を発することで、患者たちに寄り添っているかのようにように思わせて、注目を浴びたいのであろう。ニセ医学批判を行ったところで、真の解決にはならないことは、ポピュリズム同様である。


 天動説ともいえる現代医学を基準にニセ医学批判を執拗に繰り広げることは、ニセ医学批判の「ニセ科学化」といってもよいだろう。ニセ医学の被害者は限定的であるが、不毛なニセ医学批判は、医学の進歩と治療法の普及を妨げることによって、広く多くの患者たちに不利益をもたらす。ニセ医学批判を行っている医師たちは、どのように責任を取るというのだろうか。標準治療を強弁して、問題解決を妨害しているだけの医師たちは、インターネット上から退場すべきだろう。

 

パラダイム転換など望んでいない患者たち
 科学的知識がなく、論理的思考ができない患者たちという大衆にとって、理解できないことは無意味、無価値である。だから、難解なパラダイム転換などに関心はない。目先の都合が良いことが起きることを望んでいるだけである。何ら考えることも、努力もしないで、できない理由や、しない理由などを並べ立てる。これが科学的に正しい現象であり、それを理解することが、彼らの利益となることであると言ったところで、そのようなことは信じられない、有り得ないと一蹴されるだけである。
 だから、磁気治療についてあれこれ書いているFC2ブログ「医学革命の論理」や、治療法の詳細が書かれている電子書籍ニセ科学ではなかった磁気療法』が読まれることはない。この研究の重要性など、はなから考えることはしない。ニセ医学に騙されることは愚かなことであるが、最強の治療法である「量子磁気医学」を選択しないことはさらに愚かなことである。ニセ物に騙されるレベルの人物たちは、本物を見せてもそれが正しいことを理解できない。
 知識や洞察力がなければ、眼には見えない病気という現象と向き合うことの不安がよぎってしまう。法則というものはすべて抽象的であり理解することは難しい。病気は物理法則に従って起きる、治療も物理法則に従って行うことが正解といえるだろう。どのような理由があろうが、どのような理屈をつけようが、法則性を理解していなければ磁気治療は行えない。「量子磁気医学」を知っていれば、多くの病気を即効的に治癒させることができ、死なずに済むこともあるだろうに。

 

変貌する医療
 医学の不確実性やニセ医学の問題は、物理主義的に研究していけばよい。その結果、ニセ科学扱いされていた磁気治療が、現代医学をはるかに上回る最強の治療法であることが明らかになったのである。官能基の化学反応の制御は、物理法則に基礎づけられ不確実性は解消される、骨格構造の構造は瞬間的に変化する、結晶構造であるから物性は多くのタンパク質分子に共通する。つまり、確実で、即効性があり、汎用的という、これまでの常識では考えられない治療法である。日常経験する病気ほとんどは磁気だけで治療ができるだろう。現代医学では治療困難な免疫系疾患や、精神・神経系疾患などがいとも簡単に治療できる。例えば、アレルギー性鼻炎や喘息、膀胱炎、うつ病、神経痛、耳鳴りなどが1日で完治も可能である。

 頭痛、肩こり、腰痛、筋肉痛、関節炎、肝炎、過敏性腸症候群帯状疱疹アトピー性皮膚炎、多汗症、ドライアイなど、タンパク質分子の構造と機能の変化が原因である病気ならば、磁気を加えるだけで即効的に治癒させることが可能である。これ以外にも、まだまだ数多くの病気を治癒させることができるだろう。  

 磁気治療の研究を始めて約30年、いろいろな病気になっても自分で即効的に完治させてしまうので、病院に行くことも、薬局で薬を買うこともない。電子書籍を読んで治療法を理解すれば、誰でも「医療費ゼロ円生活」 ができるようになる。多くの国民が磁気治療を行うならば、国民医療費の半減もあり得ないことではない。

「量子磁気医学」は、人生を変え、社会を変え、歴史を変えることになるだろう。 

                                  (8)に続く

 

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